気まぐれ通信 No.1 ハミングバード・プログラム

教員時代によく学級通信を書いていました。誰かに伝えたいと思うことを綴るのは、楽しく、心地よい作業でした。懐かしくて復刻してみました。宜しければご覧ください。通信版PDFは下のリンクからダウンロードできます。

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スターバックスが大好き

 珈琲が大好きなのです。家ではコーヒーミルで豆を挽き、ペーパードリップでゆっくり落としていただいていますが、外出した時にはスターバックスによく立ち寄ります。

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 これは、私がいつも使っているスターバックス・カード。
先日、カフェ・ラテを注文したら、スタッフに笑顔で
ハミングバード・カードですね。ありがとうございます。」
と声をかけられました。
 ハチドリのイラストが入っている”ハミングバード”と呼ばれるシリーズで、2012年から毎年1枚ずつ販売されています。私のは2012年度版ですから、もう9年も使っていることになります。アプリでデジタルカードも使えるのですが、これからもずっと、このハチドリのカードを使い続けると思います。

このハチドリには名前がある

 スターバックスの公認ではないかもしれないのですが、このイラストのハチドリには名前があると私は思っています。
 その名は、『クリキンディ』。
 南米のアンデス地方に伝わる『ハチドリのひとしずく』という昔話に登場するハチドリの名がクリキンディなのです。

ハチドリのひとしずく


森が燃えていました。
森の生きものたちは われ先にと 
逃げていきました。
でも、クリキンディという名の 
ハチドリだけは、行ったり来たり
くちばしで水のしずくを一滴運んでは火の上に落としていきます。
動物たちがそれを見て 
「そんなことをして
 いったい何になるんだ」 
と言って笑います。
クリキンディはこう答えました。
「私は、私にできることをしているだけ」

今 私にできること

 2011年3月11日、大地震津波の恐ろしさをテレビで知り、大きな無力感、深い悲しみに沈みました。日々、明け方までテレビやネットの情報にかじりつき、入ってくる情報に触れるにつれ、自分はいったい何ができるのだろうと考えました。
 いつもと変わらない生活をすることに違和感がまとわりつき、楽しいことをするのに罪悪感を抱きました。自分にできることはなかなか見つかりませんでした。
 「何ができるんだろう」と夏まで、ずっと考えていたように思います。
個人のボランティアや支援物資は控えるように報道されていました。
支援物資を集める旧高校の跡地に手伝いに行っても、それほど仕事があるわけではありません。思いつくものはどれも役に立たないように思えました。

 でも、自分にできることをするしかないのです。それがどんなに小さなことでも。
 当時は教壇に立つ仕事をしていましたので、子どもたちと一緒に考え、少しずつ自分たちでできることを始めました。
 小さなハチドリが運ぶひとしずくの水が、山火事を消すのに役に立つとは思えません。まったく無駄な行為かもしれません。
でも、自分たちの森が焼けているのを目の当たりにして、クリキンディが何もせずにはいられなかったように、今私にできることを、ずっと探し、続けてきました。

微力だけど 無力ではない

 スターバックスの店頭でハミングバード・プログラムの告知を見て、カードを購入したのは2012年。同時に『ハチドリのひとしずく』の絵本を知りました。
 以来、スターバックスで珈琲をいただく時には必ずハミングバード・カードを使い続けてきました。
 寄付の期間でない時もあるのですが、また、目新しいカードに心惹かれたりもするのですが、やっぱりこのカードです。
特に美しいカードが登場した時には、「2枚持ちにしようかな」と、ずるい考えが浮かびもしましたが、少し汚れてきたこのカードを忘れずに毎日持ち歩き、使い続けることにしました。

みちのく未来基金

復興には10年以上もの歳月がかかる。
 復興を成し遂げるのは
  被災地の子どもたち!

 ハミングバード・プログラムが応援する『みちのく未来基金』は、東日本大震災により、遺児となった子どもたちの高等教育(大学や専門学校)進学の夢を応援するための奨学基金です。
 支援プログラムに微力ながらも参加できることを嬉しく思った、あの時の思いを忘れず、今も何かできることを探し、続けるような自分でありたいと思います。
 今は定年退職し、ますます微力になりましたが、まだまだ無力ではないと思います。