気まぐれ通信No.15 日本で気になるZ世代 池田エライザ

モデル、女優、SNSでは自撮りの神、映画監督、
そして、歌がとってもいい池田エライザ
唯一無二の個性がとっても気になる日本のZ世代です

A4の通信を書いています。宜しければご覧ください。
通信版PDFは下のリンクからダウンロードできます。

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リアルを追求する職人

モデルであり、俳優である池田エライザさんもまさに個性的で多才な1996年生まれの『Z世代』。

経歴を簡単にネットから拾って紹介すると、

13歳で『ニコラ』のモデルとしてデビューし、17歳で『Can Cam』の専属モデル。15歳から俳優として映画やドラマ、MVに出演。早くからTwitterで配信し、「エライザポーズ」で有名になり、「自撮りの神」と称される。18歳にしてクラウドファンディングで約280万円の資金調達に成功し、初となるモデルブック『@elaiza_ikd』を出版。今年24歳となる2020年には『夏、至るころ』で映画監督デビュー。

 華やかな世界で、時代の最先端を突っ走る才能豊かな方ですが、超個性的で、こだわりが強い印象を受けます。変な言い方ですが「エライザ流を崩さない、少し頑固な職人さん」みたい感じがして、他の誰とも似ていないように思います。

 映画やドラマでは、よくある「ヒロイン」の役は受けないのでしょうか(わざと?)、かなり個性的な役ばかり演じています。
 そして、劇中では「池田エライザ」ではなくなって、「美由紀」「御子」「なつめ」になり切って、役によってまったく別人になる。クレジットで「やっぱりエライザだよね」と思ったことが何度もあります。

 どんな映画でどんな役を演じても、表情もセリフもいつも同じ「女優の〇〇だね」と思うことが多い中、演じる役のリアルを追求しておられる俳優さんだと思います。役作りはストイックなんだろうな。

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 モデルの仕事ぶりをそれほど知っているわけではないですが、モデルの時の写真はやっぱり別人です。
 モデルって自分の好きな服を着るわけではないですよね。着て、歩いて、ポーズすることで作品である服に込められたデザイナーの考えや世界観を表現するという、とんでもなく難しいことをやってのけています。俳優としての在り方にも影響しているのだと思います。

 人気が重要な世界だけど、それだけでは通用しないことも理解し、プロ意識も高く、リアルな表現に努力を惜しまない方だと思います。

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あの曲を歌ってくれる

 池田エライザさんのことが特に気になり始めたのはYouTubeの歌からです。
「歌だけは仕事ではなく趣味にしておきたい」という彼女ですが、歌がすごくいいのです。
 古い名曲のカバーが多く、『異邦人』『カナリア』『時代』『SWEET MEMORIES』と40年以上前、ぼくが二十歳前後に聴いた思い出深い曲を歌ってくれている。なぜZ世代がこの選曲なのか本人に聞いてみたい。

 そして、最も嬉しかったのは森田童子の『ぼくたちの失敗』。
 二十歳の頃、全障連運動に没頭していた頃に聴いていた曲。
 後悔はしてないのだけれど、
“どうしてぼくたちはあんなだったんだろう”
と少し苦い気持ちを閉じ込めたようなあの曲。
レコードプレーヤーもなく、聴くこともなく遠ざかっていたあの曲が、
エライザさんの歌で蘇りました。とても嬉しかったです。


池田エライザ ぼくたちの失敗 2020 9 21 CDTV 生放送 LIVE


すべてがエライザ流に

 俳優としてはそれぞれの役に徹するエライザさんですが、歌は、どの曲もエライザさんの歌になっているように思います。
 まず、その曲が好きなのだろうと思います。そして、それぞれの曲の歌詞やメロディ、世界観をエライザさんは自分で消化して、自分の歌にしています。

 森田童子の『ぼくたちの失敗』の少し苦い歌詞が、なんだか懐かしく、優しく思い返している歌詞に聴こえました。シンプルな伴奏やアレンジも素敵です。

 高校生になって始めたSNSで注目を集めた彼女は、自分流の発言やポーズでフォロワーを集め、インフルエンサーになりましたが、今はTwitterを辞めました。
  「いいねボタンはナイフのマークに変えたほうがいい」
  「SNSをやめてみては」
といった発言もしています。
 SNSもエライザ流に消化してしまったのでしょうか。
 或いは、自分らしさを失わないための折り合いの付け方を学んだ結果なのかもしれません。

 でも、何かを発信すること、表現することの大切さは失ってはいけないとも語っている彼女は、映画監督という新しい試みまで始めました。
 初監督作品『夏、至るころ』観たいのですが、近くで上映していない!
 コロナで行けない!
でも、必ず観ようと思います。


 『Z世代』はリアルな視点を持ち、多様性と個性を大切にします。
池田エライザさんもまさにその一人です。